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Masayuki Hatta's writings & more.

1 リアクション &

Charlie Haden, 1937-2014

Closeness

チャーリー・ヘイデンが亡くなった(JazzTimesの記事)。近年まで活動を続けていたし、当人としてはやり残したこともあったのかもしれないが、まあ76歳なので大往生の部類であろう。2009年にカルテット・ウェストを率いて来日したことがあって、見に行くつもりだったのだが直前になって用事が入り行けなかった。これがおそらく生で見る唯一の機会だったので、今となってはちょっと残念である。

私が初めてジャズに触れたのは、秋葉原のワゴンセールで買った怪しげなコンピレーションCDだった。その中にキース・ジャレットの弾くMy Back Pagesが入っていて(オリジナルはSomewhere Before 所収)、気に入って繰り返し聞いたものだが、実はこの演奏でベースを弾いているのがヘイデンなのである(ちなみにドラムスはポール・モチアン)。だから、彼は事実上私が初めて本格的に聞いたジャズ・ベーシストと言える。

作編曲家やオーガナイザーとしても優れた才能を持っていたヘイデンだが、個人的にはまずジャズ・ベーシストとしての卓越した力量が印象に残る。重くてしかも抜けが良いという独特のベースの音自体が魅力的なのは言うまでもないが、様々な楽器、様々なスタイル、様々なタイプの人とデュオという難しいフォーマットで名演を残しているのも凄い。相手の持ち味を殺さず、それでいてちゃんと自分の色も出すあたり、余人の追従を許さなかった。強力な個性があれば、逆に誰とでも付き合えるのだということを身をもって教えてくれたのが、、オーネット・コールマンからハンク・ジョーンズまで見事にサポートしてみせたヘイデンの個性溢れるベースだったように思う。

個人的に好きなヘイデンの演奏を二つだけ。一つは先ほども出てきたキース・ジャレットと組んだデュオだが、ここでもピアノに絡みつくヘイデンのベース・ラインが、甘さに流れがちなキースをジャズの範疇につなぎ止めているのだと思う。これは本当に素晴らしい演奏で、キースのベストといっても差し支えない。

もう一曲は、こちらも因縁浅からぬオーネット・コールマンとのデュオ。こちらもヘイデンのベースがしっかりしているおかげで、オーネットがいつにも増して腰を据えて吹きまくっており、聞くたびに爽快になる。

というか、もうお気づきの方もいると思うが、これらは両方ともClosenessというアルバムに収録されている。残り2曲がいまいち、録音もややいまいちという致命的欠点はあるのだが、とりあえずヘイデン早わかりの一枚としては、このアルバムがよいのではないかと思う。

なお、一応YouTubeにリンクは張ったものの、いかんせん低音が痩せてしまうので、ここはやはりCDなりちゃんとした音楽配信なりで聞くべきだと思います。



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3 リアクション &

ジャズにおける緊張感について

書けというリクエストがあったので、〆切をとうに過ぎている原稿が他に三つもあるというのにここにしたためるのである。というか、よくよく考えてみたらヤバイのは三つどころではないのであって、いよいよ鬱が深まった。ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい

ジャズにおける緊張感についてしばらく考えている。「緊張感」というのが適切な表現かどうか分からないのだが、とりあえず私はそう呼んでいる。「凄み」も有力な候補である。音楽学や音響生理学の世界ではもっと適切な表現があるのかもしれない。英語に訳せと言われれば、おそらく私ならintensityとするのではないかと思う。tensionというと別の意味に取られそうだし…。

私は緊張感のある音楽が好きだ。ジャズ以外にも緊張感に満ちた音楽はいくらでもあるのだが(グレン・グールド、ボブ・ディラン、アストル・ピアソラらがすぐに思い浮かぶ)、これまでを振り返ると、ジャズは他の音楽に比べて緊張感ある音楽の含有率が高かったように思う。というか、おそらくある時期までは、ジャズメンのコミュニティの中で、緊張感は演奏者の能力の評価、音楽の質の評価において大きな部分を占めていたはずなのだ。ある人にはあるし、ない人にはない。そこには厳然とした、階級の差のようなものがあった。

優れたピアニストであり、めっぽう筆が立つ評論家(ということは、地球上で最も不幸な人間のひとり)でもあるイーサン・アイヴァーソンは、昔ブログで「Almost all of those bassists who I love best in Afro-American jazz have that kind of dark, at times downright unsettling flame」と述べていた。これは黒人の鬼才ベーシスト、ウィルバー・ウェアについての文章の一部だが、「ある種の暗く、時に人を不安にさせるような情熱」という表現は、私の言いたいことをうまく表現している。ウェアに限らずかつてのある種のジャズメンの演奏からは、そういった不穏な雰囲気、表現の異常な力強さのようなものが感じられるのだ。それを私は緊張感と呼んでいるのだが、おそらくアイヴァーソンは私と同じようなことを考えていたのではないかと思う。というのも彼は同じ文章で、自分も含め、今のジャズメンの多くにはそういうものはない、だから自分たちの音楽はもう「ジャズ」と呼ぶべきではないのかもしれない、と言っているからである。実際、緊張感のあるジャズというのは、近年非常に少なくなってきたように思われてならない。

不穏な雰囲気というと勘違いする人もいそうだが、当人の性格が不穏ということでは必ずしもない。史上(少なくとも一時期は)本物のヤクザだったミュージシャンもいるが、そういう人に限ってほのぼのとした音楽をやっていたりする。また、アイヴァーソンは緊張感を黒人性と強く関連づけているようだが、必ずしも人種は関係無いように思う。スタン・ゲッツやビル・エヴァンスは白人(厳密にはユダヤ人?)で優男だったが、彼らが本気を出した時の音楽からは溢れんばかりの不穏な何かが感じられるからだ。

では音楽における緊張感とはどういうものかということになるのだが、緊張感について具体的に語るのは非常に難しい。そもそも、音楽を聴いて受ける感興というのは人によって大きく異なる。なので、どこまで行っても私はそうですという以上の話にはならない。私に関して言えば、非常に緊張感のある音楽を聞くと、背筋に電流が流れるような感覚が走り、激しい精神的昂揚が訪れる。全身が引きつったり、息が出来なくなったり、涙が出てくることもある。そういった生理的な現象も付随することはあるが、毎回のことではない。結局のところ、音そのものに充実感、聞く者の耳を捉えて放さない力強さ、ある種の威厳が感じられる、ということではないかと思う。緊張感のある演奏は何度聞いても聞き飽きしない、ということは言えるかもしれない。また、音楽から受ける感興は人によって異なるとは書いたが、ある程度音楽をきちんと聞いた人ならば、評価が大体同じようなところに収斂するのもまた確かではないかと思う。

緊張感を語る困難のもう一つは、場合分けの難しさである。ゆったりとしたテンポで緊張感に満ちた演奏もあれば、汗飛び散らせる熱演なのに全然緊張感がない、というものもある。大音量で迫るビッグバンドなのに緊張感がない演奏もあれば、静謐なソロ・ピアノなのにこちらの顔が引きつるような緊張感で迫ってくる演奏もある。超絶技巧を駆使しているのに緊張感がない演奏もあれば、訥々とした演奏なのにこちらの心をわしづかみにする緊張感溢れる演奏もある。さらに厄介なことに、同一人であるにも関わらず、常に緊張感ある演奏をするとは限らない。かつてのチック・コリアは緊張感の塊のようなキレキレピアニストだったが、別にテクニックが衰えたということでもないはずなのに、最近はどうもぱっとしない。若い頃は柔和な表情を見せていたチェット・ベイカーは、晩年は凄まじい緊張感を発散する怪物になっていた。チェットの場合、ヤク中になってこの世の地獄を見た、ということもあるのかもしれないが、元々かなり不穏なものを抱え込んでいた人だったのではないかと思う。ようするに、繰り返しになるが、ある演奏にはあるし、ない演奏にはないということなのだ。

私が緊張感があると思っている演奏をいくつか挙げておこう。

Free for All

アート・ブレイキーはいつも大熱演だが、では緊張感のある演奏ばかりかというとそうでもない。これなんかはかなり荒っぽいが、緊張感という点ではこれが極致ではないか。ウェイン・ショーターもすごい。

Stan Getz & Bill Evans

スタン・ゲッツとビル・エヴァンスというのは私にとってはずっと謎であり続けている人々なのだが、その二人が組んだ演奏というのもいくつかある。これなんかはものすごい緊張感に満ちているのだが、長いことオクラ入りしていた。

Arc

若いころのチック・コリアが好きだ。その後のチックがなぜぬるくなってしまったのかどうもよく分からないのだが(年齢のせいではないと思う)、サイエントロジーを信仰するようになって人格円満になっちゃったせい?

ポートレイト・オブ・セロニアス+1

晩年のバド・パウエルには、俺のほうがピアノうまいんじゃないかと思うくらいひどい演奏も多い。その一方、指はもつれハーモニーはぐちゃぐちゃであっても、緊張感という点では他の追随を許さないものがあるのも事実である。特にスローナンバーには凄みに満ちたものが多い。

Open, To Love

ポール・ブレイも緊張感溢れるピアニストである。ソロ・ピアノでこれだけの妖気を出せる人は珍しい。ただ、ブレイの場合、ハズレも多いのが…。

Gil Evans & Ten

ギル・エヴァンスの偉さというのはなかなか分かりづらいが、思うに、彼の最も優れた才能は、どんなに優美なアレンジであっても常に緊張感を欠かさなかったところだと思う。この演奏などは、ゆったりしたテンポ、優雅なハーモニーと演奏なのに、ひどく心揺さぶられるものがある。

Tango: Zero Hour

ジャズ以外からもひとつだけということで。ピアソラもまた緊張感を大事にしていたアーティストだった(インタビューか何かでそういうことを言っていたような覚えがある)。



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1 リアクション &

Ricoh Elemex Apex Reminder 660006-36

[リコー]RICOH 腕時計 アペックスリマインダー アナログ表示 10気圧防水 電磁誘導充電式 バイブレーションアラーム クロコダイルベルト 日本製 ブラック 660006-36 メンズ

ご存じの方も多いと思うがポモドーロ・テクニックというのがありまして、一応実践している。根拠はずいぶん怪しげというかいい加減な話ではあるのだが、30分くらいで強制的に仕事に区切りを付けるというのは、それなりに妥当な仕事のコツだとは思うのですよ。

で、普段はポモドーロ・テクニック用のアプリとしてデスクトップではTomighty(オープンソースでJavaベースなのでWindowsでもGNU/Linuxでも使えるのがよい)、AndroidスマホではPomodoro Tasksを使っているのだが(といってもこちらは滅多に使わないけど)、どうせなら振動で教えてくれるタイマー機能がある腕時計が欲しいなと思い、しばらく物色していたのである。

昔はタイマーやアラームの機能がついた時計はいくらでもあったような気がするのだが、最近は絶滅危惧種のようだ。特に、見かけがG-Shockみたいではないものというか、ようするにおっさん向けデザインのものはほとんど無いようである。といいつつ本当はMutewatchが欲しかったのだが、ぼんやりしていたらどうも売り切れになってしまったらしい。

で、たまたま先日ヨドバシに行ったら、こんな時計が売られていた。去年の暮れに出た新製品のようだ。私は誠にものを知らない人間で、リコー(の子会社のリコーエレメックス)が腕時計を作っているなんて全く知らなかったのだが、事実上ここくらいしかこういうものは作っていないようだ。びっくりして思わず買ってしまった。

デザインはいまいち野暮ったく(一応丸型と角型がある)、そのくせ値段はクッソ高く(機能的にはほぼ同等の廉価バージョンもある)、そもそもアペックスじゃなくてエイペックスじゃねえのかとか、これはいかがなものかという点がないわけではないのだが、純粋に機能だけみるとなかなかすごい。

  • 音と振動で通知、音は結構やかましく、バイブも結構しっかり振動
  • アラームは5つまで設定可能、チャンネルごとに音と振動の切り替え可、スヌーズ付きチャンネルあり、1回限りの時間をすぐ設定できるワンショットアラームもあり
  • タイマーは3つまで設定可能、チャンネルごとに音と振動の切り替え可、オートリピート可
  • ストップウォッチ
  • デュアルタイム
  • チタニウムのケースにイオン・プレーティング、大きさの割にとても軽い(たまに着けているか不安になるくらい)
  • かなり明るいLEDライト、点滅も可能、遭難しても安心だ
  • 文字盤にも隠しLED、日時や時刻をデジタル表示可能
  • 無接点充電!(でもQiではない、なんかようわからん独自規格で充電器附属)、まあ充電しなくてもLEDライトを使わなければ数ヶ月は保つみたい
  • 10気圧防水
  • 無反射サファイアガラス、傷が付きにくく時間が見やすい
  • チタンバンドとワニ革バンドが選べる、革バンドもメタルの三つ折れバックルなので着脱が非常に簡単
  • 高級感溢れるおっさんキラーなデザイン
  • やたら馬鹿でっかい化粧箱がついてくる(なんと木製)

特にオートリピートが重要で、これのおかげで、「30分ごとにバイブ」みたいなことが簡単に実現できる。こだわる人なら、タイマーの1チャンネルを25分、別のチャンネルを5分で設定しておいて交互に設定すれば正調ポモドーロが出来ますね。やってみたが非常に簡単である。

これで電波時計だったら最高だったのだが、まあそれは別にしてもこの手の時計でこれだけ何でもかんでも機能を盛っているのは今どき無いのではないかと思う。まあ今や腕時計なんか買うのはよほどの変わり者だけだとは思うが、特にライフハッカー(半笑い)の皆さんにはおすすめ。



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5 リアクション &

キース・ジャレットの晩年

スリーパー

先日キース・ジャレットが大阪で一悶着起こしたと聞いて、いろいろ思うことがあった。

昔から気むずかしいというかめんどくさい人ではあったし、あるいはよほど大阪の客の態度が悪かったのかもしれないが、最近もイタリアのジャズフェスで似たようなことがあったというし、マシュー・シップやヴィジェイ・アイヤーといったニューヨークあたりで活躍する若手・中堅ジャズメンからの評判も、「高いギャラを取るくせに平気でキャンセルしたりして後進が注目される機会を潰す」と良くなく、ほとんど老害扱いである。個人的には、キースほどの集客力や、もっとはっきり言えば才能が無いお前らが偉そうなことを言うなという気がしないでもないのだが、ここ数年の作品を見ると、その内容や、あるいはほとんど無秩序といっていいリリースの仕方に、やはり相当タガが緩んでいるなあと言わざるを得ない。たぶん、キース自身自分の衰えにうすうす感づいていて、それが気むずかしさの増大に拍車をかけているのではないかと邪推しているのだが。もう70歳だしねえ。

私はキース・ジャレットの音楽が好きなのだが、そう公言するのはどことなくはばかれるところがある。というのも、私自身が好きなキースの音楽は、どうも世間一般の人が好むものとは微妙にずれているように思われるからだ。たとえば、私はかの大ヒット作ザ・ケルン・コンサートが大して好きではないのである。嫌いというほどでもないんだけど。ソロ・ピアノならフェイシング・ユーばかり聞いているのだが、しかしあれはキースの作品系列の中ではかなり異質だし、もっと最近まで引っ張ってくるとラ・スカラも好きだが、あれもねえ。

スタンダーズ・トリオも、同じメンツで30余年、近年はほとんど定期便のごとく来日し、正直マンネリと言わざるを得ないのだが、でも初期の作品を聞き直すと、凡百をまるで寄せ付けないピアノ・トリオの優れた達成だったと言わざるを得ない。歴史的な意義も絶大だと思う。しかし、最近ビル・エヴァンスを集中的に聞き直していて、やはり肝の据わり方というか、凄みというか、表現者としての格のようなものでエヴァンスのほうが皮一枚上と思うようになった。まあ思い込みと言われればそれまでの話なのだが、元々エヴァンスがそれほど好きではなかった人間(俺だよ俺)に、音楽そのものの力だけで半ば強引に考えを変えさせたというのは、ある意味客観的なプロセスだったのではないかとも思う。いずれにせよ、あれだけ卓越したテクニックと才能を持ちながら、ジャズのヴァルハラへの最終列車にはわずかに乗り遅れた男、というのが、私のキースへの評価である。しかし大多数は切符すら取れなかったのだ。それを思えば、もって瞑すべしといったところだろう。

もし今まっさらな状態でキース・ジャレットの音楽に触れるのであれば、スタンダーズ・トリオよりも、ヨーロピアン・カルテットの演奏から聞いたほうがよいのではないかという気がする。先日出たスリーパーは、しょせん35年前のお蔵だしではあるけれど、とても素晴らしかった。聞き手に努力というか体力を強いる演奏だが、キースはそういう、良い意味で聞き手に多くを求める音楽家だったはずなのだ。それだけに得られるものも多かったのである。



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1 リアクション &

Crumpler House of Horror

crumpler(クランプラー) House of Horror (ハウス・オブ・ホラー) Riflegreen

はいはいまたどうでもいいうんちくですよ。

通勤用の鞄は、先日取り上げたSIWAのレザーハンドルトートでほとんどファイナルアンサーというか満足しきっているのだが、私用でちょっとラップトップや書類を持って出かけたいというときには、やや大きすぎるきらいがある。まあ贅沢な話ですけどね。

で、たまたまヨドバシへ買い物に行き、ふらふらしていたらこの鞄を目にして思わず買ってしまった。オーストラリアの鞄メーカー、クランプラーの製品だが、たぶんクランプラーの日本の代理店が銀一で、元々ドンケとかカメラバッグの卸なので、ヨドバシでも扱いがあるということなんでしょう。おかげで買うのにヨドバシのポイントが使えた。Amazonではなぜか在庫切れみたいだが、別に廃番というわけではないようで、アシストオンでも扱っている

クランプラーは値段がクッソ高いという誰の目にも明らかな欠点があるのだが、さすがに高いだけあって質は常に良い。他にもDry Red No. 5というバックパックを愛用しているが、これも傑作で、個人的には実用的なバックパックの完成形だと思っているくらいだ。

今回買ったHouse of Horrorは一応リュックにもなるものの、手提げとしても使えるという面白い鞄である。角がとがっていないくたっとしたデザインのせいか、一見やや小ぶりに見えるのだが、中には15インチのラップトップが入るポケットがあり、外にはタブレット等が入る大きめのポケットもついている。上部ファスナーの脇に、メインの区画を開けなくても小物がすぐ取り出せる隠しポケットがついているのも良い。また、マチが下に行くにつれて広がっているので、荷物が増えてもスマートに見える。私は主に手提げ鞄として使っているが、街を歩いているとちょっと両手を空けたいということがよくあるもので(例えばトイレ)、そういうときにさっと背負えるというのは最高に便利である。生地が防水でチャックがすべて止水ファスナーというのも、近年ゲリラ豪雨に見舞われることの多い某国首都での生活には最適だ。

まああんまり固い商売だと無理かもしれないが、通勤通学にも十分使える(クランプラーにしては)落ち着いたデザインでもある。おすすめ。



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6 リアクション &

横歩取り超急戦のすべて / 飯島栄治

横歩取り超急戦のすべて

子供のころ愛読していた将棋の本に超急戦!!殺しのテクニック というのがあった。いわゆるハメ手というか奇襲戦法を多く紹介というありがちな本だが、本のタイトルも派手なら各セクションのタイトルも派手で、やれ「鎖鎌銀相討ち事件」やら「四間飛車に贈る鎮魂歌(レクイエム)」やらとミステリ風に凝った章題が付けられており、棋書らしからぬ洒落っ気を見せていたものだ。

中身も単なる紹介に留まらず、技をかけられた相手のどこがまずかったのか、さらには「サバイバルテクニック」と称して相手が最善の対応をしてきたときにこちらはどうすればよいのかまで載せていて、至れり尽くせりである。先日書庫から発掘したので十数年ぶりに読んでみたが、内容もさることながら文章が極めて読みやすく、レイアウトも含めて意外なほど古びていないのに驚いた。著者の横田稔は後に体調を崩して早世したと聞くが、惜しい人を亡くしたものである。なんとか再刊されないものか。

で、話はいきなり変わるのだが、最近第3回将棋電王戦を見たんですよ。コンピュータに勝った豊島戦、負けた屋敷戦、どちらも横歩取りだったが、あれを見てなんだか横歩取りに興味が湧いてきてしまったのである。だって楽しそうなんだもの。

横歩取りは、私のようなオールドスクールの振り飛車党にとっては最も遠いところに位置する戦型だと思う。研究勝負で一手間違えると崖から真っ逆さま、というのはしょうがないにしても、そもそも空中戦は感覚的によく分からないところがある。その一方で私はなまくらながらチェスも指すのだが、チェスはキングとポーン以外基本全部線駒ということもあり、感覚がどことなく似ていて分かるような気がしなくもない(どっちなんだよ)。

で、話はまたもや変わるというか最初に戻るのだが、件の「超急戦!!殺しのテクニック」最後の4講は、実は横歩取りのハメ手の話なのだった。「相横歩取りの決闘」「ヘンタイ横歩取り事件」「夢幻世界横歩取り4五角」「横歩取り通り魔事件」と、まあ章題を見ても内容はさっぱり分からないと思うが、ようは相横歩取り、5筋を突き合ったケース、いわゆる△4五角戦法、後手が飛車先を換えないケース、ということですね。当時は横歩取りなんか全然興味がなかったので読み飛ばしていたのだが、今になって読み返すと肉を切らせて骨を断つという感じの華々しい指し手が飛び交い、実に楽しそうである。特に△4五角戦法に関しては、執筆当時流行っていた戦法だったということもあるのか、「飛車角四枚が盤面に乱舞する心臓が高鳴るような戦い!」「将棋というゲームでしか味わえないスリリングな戦いを見ていただこう」と、横田の筆致にもいよいよ熱がこもっている。

ということでようやく本題に入るのだが、最近になって横歩取りのハメ手というか超急戦の本が出たというので買ってみた。著者は私と同い年の中堅棋士である飯島栄治で、ベテラン観戦記者の鈴木宏彦が構成を担当しているようだ。Kindle版もあるというのが今風ですね。

飯島も「悪魔的な魅力を持った戦法」と言う△4五角戦法の話がメインで後半を占め、その結論を含みにいわばイントロとして△3三角戦法と△4四角戦法の話がつくという内容で、私のようなトーシロにも非常に分かりやすい。巻末にはポイントを復習する次の一手問題が18問と、本文で出てきた指し手を分岐ごとに整理したチャートまで付いている親切設計。先日取り上げたすぐ勝てる!急戦矢倉もそうだったが、最近の(特にマイナビから出る)棋書はほんとレベルが上がったというか、質が良くなりましたねえ。

ひとくちに横歩取りと言ってもいろいろあって、まだ結論が出ていないものもあれば詰みまでほぼ研究し尽くされている分かれもあるのだが、実は△4五角戦法に関して言えば、正確に先手が指せば後手が不利ということで大体コンセンサスがとれている。だからハメ手なわけで、そもそも横田本が書かれた1988年の時点からこの結論はあまり変わっていないのだが、問題は「正確に」というところである。先手の正解手がどうにも直感に反するものだったり、あるケースで最善だったのが他のケースではいきなり敗着になってしまうなど、ちょっとした違いで後手が有利になる変化が多く隠れているのだ。将棋でメシを食うプロなら全部覚えろというだけの話だろうが、アマのそれも底辺レベルなら、一発勝負の初見では到底全て対応し切れまい。そりゃ地雷原だろうがなんだろうが「正確に」歩けば突破できるに決まっているが、ひとつでも地雷を踏んだらサヨウナラ、というのと同じである。ちなみに将棋ウォーズで機会を捉えて数局指してみたが(なかなか横歩取りに乗ってくれる先手がいない)、正確に対応できる人はほとんどいなくて、まあこちらもどうせどこかでしくじるので大方はドロドロの力戦になって終わるというパターンが多い。

「横歩取りハメ手定跡の最終形」という触れ込みの本書、実際細かく検討されているのだが、水面下ではまだまだ秘手が多く眠っているとも聞く。続刊も予定されているようなので期待したい。



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344 リアクション &

井上:検閲されない通信をしたいときには、バーチャルプライベートネットワーク(VPN)という技術を使うのが一般的ですが、そのネットワークに金盾は負荷をかけてくるんです。VPN は暗号を使って接続するのですが、その解読は事実上不可能です。内容を検閲できないくらいなら通信そのものをつぶしたい。だから金盾はVPNのような通信が発生している状況を探知して、自動的にその通信へ負荷をかけ、速度をとてつもなく遅くするんです。

 遅すぎてまともに使えなくなるからVPNをつぶすのに成功するわけですが、この機能は作動するまでに時間がかかります。だから負荷が重くなると別のVPNに切り替え逃げ回るという使い方をするんです。金盾は、中国の電脳世界を支配するやっかいな虫みたいなものですよ。この追いかけっこは、まるで1980年代に流行したSF、たとえば『ブレードランナー』や『AKIRA』のようなサイバーパンクの世界なんです。

――香港ならともかく、中国本土にサイバーパンクというイメージはなかったですね。

井上:現実の中国は貧富の差が本当に大きい。そして都市が無秩序に拡大するスプロール化が起こり発生した貧民街と、金持ちだけが住み、その中で生活が完結する巨大建造物のアーコロジーという相容れないエリアが出来上がっている。そして、私のように当局、金盾と追いかけっこする連中がいる。あと、画面を覆い尽くすスモークとか、1980年代に流行ったサイバーパンクの世界は今、中国で実現している感じです(笑)。

NEWSポストセブン|中国人民解放軍サイバー部隊との攻防 中国嫁日記作者が語る (via yukiminagawa)

(sociologbookから)

331 リアクション &

他の業界だと、自動化やロボット化したときに「人間を置き換える何かだ」「我々の職を奪うつもりか」っていう対立が起きて面倒だけど、ソフトウェア業界では「その程度で奪われる仕事しかできないとか、やめたらいいんじゃないですかね。」っていう感じですむことが多い。素晴らしい。

Twitter / kyon_mm: 他の業界だと、自動化やロボット化したときに「人間を置き換える … (via n-enot)

同感。ただ末端では起きないけど、中層とバックヤードではソフトウエア業界だろうとそれが起きる。

その人のスキル、ドメインに占める「企業内特殊熟練」のウェイトによるのかもしれない。ソフトウエア技術の現場では、社内標準が業界標準や業界先端に追いつき追い越すことがまずなくて、業界標準や業界先端を取り込んでガンガン自動化でも簡素化でもロボット化でもすることの方が、社内標準に精通することより優先。

(via tsukamoto)

(tsukamotoから)